隣に魔王さん。


「マダムさーん、これってビン開けてもいいんですかー?」

「あー、いいよ。小さいビンがあるだろう?そっちで嗅いでくれるかい?あと、ブレンドしたいときは下にお皿があるからそれを持ってきな。」

「ありがとうございますー!!」

言われた通り、小さいビンの方を香りを堪能する。


「いい、匂い……金木犀かな。」

懐かしくて、蘇る。
花と匂いとイロが。


あの、温かなオレンジイロ。


なんか、匂いをかいでたらブレンドしたくなって階段を降りてくとコチラを見て笑う2人と目があった。


「ほらね、言った通りだろ?」

「ほんと!やっぱりマダムはすごいですね。」

「…な、…なんの話ですか……?」


2人は笑って、こう言った。


「“絶対、ブレンドしたくなって下にくる”」


マダムは爆笑してましたよ。
ニナも顔を真っ赤にさしてましたよ。
もう、2人してー。


「もー、ひとを笑い者にして。」

ふくれながらマダムから差し出されるお皿を手にとって階段を登る。



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