隣に魔王さん。


とりあえず、前から欲しいと思ってたモノをカゴに入れる。


「これと、これ……でいいかな」

とりあえず、厨房には無いようなものをカゴに入れてニナに見せると


「これだけでいいのですか?」

「うん、大丈夫。厨房もあるし。」

「そうですか、」


では、といってニナは会計に行った。
今日だけでだいぶ使っちゃった………。


「なつかさま、いきましょうか。」

「うん、」


帰ろうとした時、マーシャが声をかけてきた。


「なつか、ちょっと待って。」

「?」

「……あぁ、あったわ。なつかこれを。」


マーシャは私の手に何かを握らせた。不思議そうにそれを見る私に微笑んで。


「睡眠薬の入ったキャンディよ。近頃、物騒だから持っときなさい。あぁ、速効性はバツグンよ。ニナにはもう持たせてあるから安心して。」


小さな可愛い袋の中に一センチ程の飴がいくつもの入っていた。
これが、睡眠薬とは誰も思わないですよ。


「またのお越しをお待ちしているわ。」


マーシャが甘い香りと共に私たちを見送った。



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