隣に魔王さん。
紫の夕陽が落ちて辺りはもう暗くなっていた。
月が明かりを灯し、火のオレンジイロが灯火として道路を照らす。
「いっぱい買ったねー」
自分たちの手にある袋を見て苦笑いのような嬉しいような笑顔を浮かべる。
たくさん、お金使っちゃったー。
「なつかさま、帰りましょう。」
ふわりと笑顔で城への帰り道を導かれる。
それが嬉しくて。
自分の帰る場所が、“あそこ”だと認められていることが素直に嬉しくて。
自然と笑顔になる。
「帰ろっか。」
魔王さんに渡すあのお土産を思い浮かべながら一歩踏み出したとき、
「おい、ねーちゃんたちよ。荷物おいてけよ。」
気味の悪い、気持ち悪い、声がかけられた。