隣に魔王さん。
■Ⅶ.穏やかな昼下がりに。
「なつかさまっ!」
「グヒャ」
ぎゅうぎゅうにされたワタクシ、な、な、ないぞーが潰れそうですっ!
「ニ、ニナ?大丈夫だよ?」
「申し訳ありませんっ!なつかさまをみすみす手放してしまうなんて………」
ぎゅうぎゅう、で、でるよ。でてシマイマスー!!
何か、でてはいけないものを出しそうになって救いの声が…………
「ゼミュルダ、そこら辺にしとけよ」
「陛下!!」
「魔王さんっ!」
ニナがぱっと離れて恭しく礼をする。
へー、ニナってゼミュルダっていうんだー。
なんて、お馬鹿なコトを考えてましたら魔王さんが私に微笑む。
それが何となくこそばくて、俯く。
「なつか?」
そんな私を不思議に思ったのか声をかける。
するりと、私の髪を触る。
「っ!?」
思わず変な声が出そうになって真っ赤になる。
「?」
「あら、」
不思議そうな魔王さんと意味深な笑みで私を見ているニナがいました。