隣に魔王さん。


トコトコとながーい廊下を歩く。


ちなみに、今日の服は城下町で買った膝丈のプリーツが入ったスカートと丈の長い半袖トレーナー。
えぇ、至ってラフな格好です!


「長いよぅー」


独り言を呟きながら歩く。
わかってますよ。痛い子ですから!


ところで、今私が向かってるのは魔王さんの政務室。
何でか呼ばれたのですよー。
雑用ですかねー、そんなことされたら蹴ってやりますからね!


ながーい廊下を歩いてひとつの扉の前に立つ。


国王陛下、というだけあって荘厳な扉ですこと。
王の間?だっけ、それと同じような感じの扉。


威厳、というものがビンビン来て今すぐ逃げ出したいですっ!


すぅーはー、と深呼吸をして扉を叩くと中から入れ、と短い返事があってすごすごと中に入る。


「失礼します」

「あぁ、」


机の上に積み上げられた書類で顔が見えないけど魔王さんの声がしてひょいと覗くと魔王さんが眉間に皺を寄せて書類にサインをしていた。


「魔王さん、お疲れですね。」

「呼んどいて悪いが、暫く待っててくれ。」

「はぁーい」


ペンで指されたソファーに座って辺りを見回す。


部屋の間取りは私の部屋より少しちいさいけど、奥にもうひとつ小さめの扉がある。
この部屋には机とソファーと小さなテーブルがある。







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