LOVE STEP
そもそもの始まり
冬と春の境目、中途半端なこの季節。



iPodで音楽を聞きながら、いつもと変わらない空を見上げる。


登校する生徒でいっぱいの歩道のはじっこで立ち止まる私に、
いくつかの視線が集中した。




何となくため息をついて歩き出そうとすると、軽い感触で誰かの手のひらが
肩の上をはずむ。



振り向いてみれば、見慣れた親友の姿。






「おはよっ!奈央」


「おはよう、桜」





気心知れた親友である、青木桜とは長い付き合いだ。




小学校の頃から、彼女の明るい笑顔に、私は何度となく救われてきた。




私にとって、本当に大切な友達。



桜は朝から元気な笑顔を顔に浮かべ、軽い足取りで私の隣に並ぶ。

登校する間、彼女と話すこの時間が私は好きだ。



いつもと変わらない。


けれどいつになっても尊い時間。
















< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop