姫の笑顔は俺のもの
「はあ・・・ここが今日からアタシの部屋か」

鍵を開けて中に入る
すると綺麗に整った部屋が視界に入る
引っ越し業者を頼んでやってもらったので、必要な家具は一通りそろっている

「あ、隣の人に挨拶しておいたほうがいいのかな?一応、お世話になるってことで」

部屋の観察もそこそこに、廊下へ出て隣の部屋の前に立つ
私の部屋は廊下の突き当たりだ
だから、隣は一人しかいない

トントンッ―――

「・・・はーい」

なんて怠そうな返事なんだ

ガチャッ―――

相手の顔を見ずに頭を下げて挨拶する

「あ、アタシ隣の部屋に入った花房柚姫です!隣同士ということで、よろしくお願いします」

「そんなこと、いまさら言われなくても知ってる・・・」

「え、なんで?」

「柚木、俺だ・・・」

聞き覚えのある声に、顔を上げると
そこに居たのは何度も顔を見合わせている人物

「す、凉晴君!!?」

「んでそんなに、驚いてんだよ」

「いや・・・すごい偶然だなーと思って」

だってさ、一番最初にあったのが凉晴君だし、教室の席も隣だし、部屋まで一緒ってすごくない?

「そうか・・・」

「ねえ、もしかして寝てた?」

「ちょっとな・・・昨日あんまり寝てねえし」

「お、おこしちゃったよ!ごめんね、寝て寝て!!早く寝て!そ、それじゃあアタシはこれで!じゃあね」

「お、おう・・・じゃあな」

迷惑極まりないなアタシ
寝不足の人を起こすなんてさ
最悪だわ

テンション下がったまま、部屋に戻りまだ10時なのにすることもないので寝ることにした
あー・・・そういえば、葵と燐の親衛隊さん達どうなったんだろな~

< 14 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop