姫の笑顔は俺のもの
「とりあえず、ここまでくれば大丈夫だろ」

連れてこられたのは、どこかの空き教室
全速力でここまで来たので、息が苦しくてしかたない

「お前、転校生だろ?」

「はぁ・・・そ、そうだけど」

「なら、俺と同じ教室か・・・だったら少し遅れても大丈夫だろ」

「大丈夫じゃないよね?」

「大丈夫だ・・・。俺らの担任、来るのいっつもおせえから、間に合うようにいけばいいだろ」

この人と一緒なんだ・・・
てか、この人どう考えても不良だよね?
金髪でピアスじゃらじゃらだ。
そういえば、よく見ると恐ろしくイケメンだ
こんなイケメンそうそういない

「お前、名前は」

「アタシ?」

「お前しかここにいねーだろ」

「それもそうだね。アタシは花房柚姫」

「柚姫か。俺は、凉晴優羽だ」

「よろしくね」

「あぁ」

いきなり呼び捨て・・・。
まぁ、いいか
とりあえず、いつまでここに居るんだろう?

「そろそろ大丈夫か・・・教室行くぞ」

「あ、うん」

空き教室を出て、教室に向かう
その途中で担任の先生にばったり出くわした
怒られるかな・・・とか思ったけど、ものすごくのんびりした先生で凉晴君が迷子になってたからっていったら、あっさり信じた
この先生大丈夫なんだろうか

そんな不安を覚えたけど、それはすぐに吹き飛び転校生としての自己紹介をしなくてはならないのでその緊張で頭がいっぱいになった。

「花房さん、入ってきてください」

は、早いな!!
まだ心の準備が終わってないよ
急いで深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、教室の中に入る
・・・皆の視線が痛いです

「えっと、花房柚姫です!ちゅ・・・都合により引っ越してきました。これからよろしくお願いします」

噛んじゃった・・・
いきなり失敗ってイタイ
と、とりあえず笑顔で誤魔化しておこう

にこっと笑うとあちこちから『可愛い~』って声が聞えた
可愛くないから!!や、やめてよ恥ずかしい

「これから、このクラスの一員です。みなさんなかよくしてくださいね」

先生、そのまとめ方・・・小学生じゃないんだからさぁ
そんな自分としては最悪な自己紹介が終わり、席を指定されて座る
右隣は、真面目そうな人
その前はすっごい、ニコニコした笑顔をこちらに向けてくる一見美少女に見える男の子
そして左隣は、凉晴君
・・・よかった、近い!!
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