姫の笑顔は俺のもの
「優羽と葵ずるいよ~抜け駆け禁止!」
「なら燐も自己紹介すればいいだろ」

可愛い男の子が後ろを向いて文句を言っている。

「それもそうだね。僕は雛乃燐!柚姫って姫って書くんだよね?じゃあ姫って呼んでいい?僕は燐でいいからさ!」

「姫か…じゃあ俺もそう呼ぼうかな。あ俺のことは葵でいいよ」

「ちょっと待って!アタシ姫ってキャラじゃないし、そんなあだ名似合わないよ」

勝手に話を進める2人に訴える。
姫なんてアタシに似合わないにもほどがある!
それにそんなあだ名、注目されるだけだ
アタシ、できればそんなに目立ちたくないんだけど

「なんでー?柚姫に合ってるよ、だって可愛いんだもん♪さっきの笑顔とか、ときめいちゃったよ。可愛すぎ!」

「いやいやいや、可愛くないし、君に言われても説得力ないよ!」

「君じゃない!燐だよ、ちゃんと呼んで?それに、柚姫すっごく可愛いって!ねぇ姫でいいでしょ?」

「ごめん…り、燐。うぅ分かった。それでいいよ」

そんな上目づかいでお願いされたら、断れるはずないじゃん
姫か…恥ずかしいなぁ
広がりませんように

「燐がいいなら俺もいいよな、姫?」

「う、うん」

燐だけってわけにもいかないからね・・・
でも、アタシ人のこと呼び捨てにしたことないし
それに、男の子をなんて
だ、大丈夫なのかな?本人は良いって言ってるけど
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