姫の笑顔は俺のもの
・・・何時あたしが調子にのったのだろうか?
あたしは、あの家が嫌いなのに
自慢できることなんてない・・・したくない
それに、あたしがいつあんたらに家の事情を話した?

一回も家の話題を出したことなんてない
・・・しかもなんだ、演技っぽいって
あたしには、そんな器用なことができるほどできた人間じゃない

嫌われ者のレッテルは、いつまでたっても外れることはなく増すばかりだった
小学校5・6年になるころには、かなりひどいいじめにあっていた

中学校では、それがエスカレート
でも、中学校は父の都合で何度か転校した

その新しい学校でも、しばらくは仲良くすごしてるんだけど突然手のひらを返したような態度で接してくるのが多かった

あたしの話を聞いてくれる人なんて誰も居なかった
味方なんて存在しない


・・・あたしは何のために生まれてきたのか


気づけばそんなことばかり考えていた
答えなんて出なかった
・・・自分では、まったく分からなかった。だから答えなんて出るはずなかったのに

何のために生まれてきたのかわからなかった
だけど、死のうとは考えたことはない
小さい時のトラウマなのかもしれないけど、自分で命を絶つことはどうしてもできなかった
でも、自分の心を守るためには何かをしなければ無理だ




そう思って、あたしが手を出したのは‘リストカット’だった






これしか、あたしの心を保つの方法がわからなかった
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