姫の笑顔は俺のもの
ガラッ――――

教室のドアを開けると冷たい視線が飛んでくる
・・・そういえば、男子もグルなんだ
まったく関わりないのに、簡単に周りに流されるなんてあほらしいね
ってか、そんな視線向けてきたってあたしにはまったく利きませんよ?そんなことでへこたれてたらきりがないし

皆の方に視線を向けずに席に着く
続いて、優羽達も教室に入ってきて同じく席に着く
優羽に関しては、がん飛ばしてたけどもね

その様子を見て、またコソコソと話し声が聞こえる

「姫、気にすることないよ。勝手に言わせとけばいい。低能な奴らはそんなことくらいしかできないんだろうから」

「・・・それさ、葵が言うと妙に説得力あるんだよね」

「そうか?」

まったく自覚はないらしい
ビックリだよ。素で言ってるんだね

苦笑しながら、次の授業の教科書を用意しようと机に手を入れると鋭い痛みが手のひらに広がった。思わず手を引っ込める

「痛っ―――」

「・・・どうかしたのか?」

「ちょっと姫!手、血だらけだよ!?」

「え・・・?」


見ると手のひらから、血が流れていた
< 56 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop