姫の笑顔は俺のもの
「何かあったらどうするの」

「大丈夫だよ」

「大丈夫じゃないよ」

「そうだよ姫。カッターを仕込んで怪我をさせようと考えている奴らばかりだ。何があるかわからない。できれば、危ない目に合わせたくないから」

「・・・う、うん。わかった」

ここは、好意に甘えることにしよう





燐に先導されて、保健室までの道のりを歩く
廊下を歩いてるときの燐の横顔は、いつになく真剣で何かに苛立っているようにも感じた
それでも、アタシの視線に気づくとニコッといつもの可愛い笑顔を浮かべる


「ねえ燐、何か苛々してる?」

「え?どうして?」

「いや・・・なんか違うな~って思ってさ」

「そうかな~?」

「き、気のせいだったらゴメン」

「ふふっ。そうだな~・・うんかなりイライラしてるよ」

キラキラした笑顔でそうはっきり告げる
笑顔で言われても困るんですけどー!!?

「・・・そ、そうなんだ。なんで?」

「そんなの決まってるじゃん。姫を傷つけた奴らがいるからだよ。だれがやったのか知らないけど、こそこそ隠れて最低。・・・さっき、クラスの奴らも笑ってたのもむかつく。言いたいことあるんならさっさと言いに来ればいいんだよ。男子までぐるになって何がしたいのか本当に意味わかんない!姫は何にもしてないのに、周りに流されて人間のクズだよ。主犯者が一番人間のクズだけど。・・・いや、クズ以下だよ」

おお・・なんかこんな可愛い顔した子から、こんな言葉がでてくるとは思わなかったよ
意外に言うんだね


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