姫の笑顔は俺のもの
「先生はね、カウンセラーもしているんだよ。花って言うのは、そのカウンセラーを受ける女の子のこと」

「へえ・・・・」

カウンセラーか・・・・
絶対信用できないな
他人に、悩みを打ち明けるとかアタシには無理
何も知らないくせにって思っちゃうから

「君もどうだい?」

「え・」

「表には出さないけれど、相当悩んでいることがありそうだったから」

「・・・わかるんですか?」

「まあ、勘なんだけどね」

「そうですか。じゃあその勘は外れたみたいですね。アタシは、元気ですから」

「そうかい。それは残念だな」

「姫、そろそろ戻ろうか。葵と優羽が心配してるだろうし」

「そうだね。先生、失礼しました」

「ああ、またいつでも遊びにおいで。僕はいつでも歓迎するよ。留守にしているかもしれないけれどね」

「はーい」

「それと雛乃君」

「なんですか?」

「ちゃんと傍に居てあげないといけないよ」

「言われなくても、そのつもりだから。じゃあね、先生」

そうして、保健室をあとにした
来たとき同様、燐と手をつなぎながら(正式にはつながれながら)
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