姫の笑顔は俺のもの
ガラッ――――
「雛乃君と花房さんでしたか。保健室に行っていたそうですね。怪我は大丈夫ですか?」
教室に入った途端、そう声をかけられる
予想外な言葉にちょっとびっくり
遅刻って言って怒られるかと思ってた
保健室に居たって知ってるのって・・・誰か言っておいてくれたのかな?
「はい。大丈夫です」
「そうですか。では、早く席についてください」
「はーい」
静かに自分の席に行く
「姫、大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「無理してないよな?」
「うん。葵、心配しすぎだよ」
「それならいいんだけどな」
「あ、先生に言っておいてくれたのって葵?」
「ああ、伝えておいた」
「ありがとう」
「これぐらい、礼を言われるほどのことでもないだろう?」
「アタシが言いたいの」