月光の下で

「え…」

気づいたときには遅く、右手首を捕まれる。

「時間がないので失礼しますよ」

男はそう言うと同時に私を胸に引き寄せる。


「羽月!!」


お母さんが私に向かって手を伸ばす。

「お母さん!」

私も左手をお母さんにのばすが、


「先代香花姫。無礼をお許しください…」

小さく呟いた瞬間、パアァっと眩い光に囲まれ、目の前が白くなった。
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