メルラバ
「…仕事しよ」

締め切りは今月末。
隔月で雑誌に連載している小説の続きを書かねば。

仕事用のフォルダを開いて、原稿を開く。
煙草に火をつけて、流れを確認するために、今まで書いた分を読み直す。

私はこの作業が割と好きだったりする。

推敲とかではなく、ただ、自分が書いたものを、もう一度読み返す作業。

それは確かに自分が書いたものなのに、時間が経ってから読むと、まるで知らない誰かが書いたものを読んでいるような気分になるからだ。

私が私の読者になれる瞬間。
この瞬間が幸せだと思うし、自分を手放しで賞賛出来るから嬉しい。
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