メルラバ
もちろん読者からもらう感想も嬉しいけれど、ありがとうと思いつつ、どこか冷めた自分がいる。

信じられないのだ。

つい何年か前までは私はただの人だった。

どんなコンテストに応募しても、箸にも棒にもひっかからなかった。
自分には才能がないと思ってたし、今でも思ってる。

だから、今のこの現状が信じ難い。

どんなにたくさんの感想をもらっても、どんなにたくさん本が売れても、まだ信じられない。

自分で自分の読者になれるこの時間だけ、私は『唯』という作家の世界一のファンで、その世界に溺れることが出来る。

私の小説を好きだと言ってくれる読者と同じ気持ちになることが出来る。
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