メルラバ
少し前までは、自分の小説の中にリアリティを見出せなかった。
それでも話自体は面白いと思ったし、文章も構成も、読み返しの作業の中で花丸をつけていた。

いつも共感という項目にだけバツ印。

『唯』の読者である私は、『唯』の小説が好きで面白いとは思っていたけど、いつもいつも、ヒロインにはなりきれず終い。

でも、今は違う。

ストーリー、文章、構成、そして共感、全てに花丸。

見せかけの上っ面だけを撫ぜていたはずの私の文章が、急速にリアリティを伴って、共感として私の心に響く。

これは素晴らしく素敵なことだと思う。

恋愛小説を書くのは苦手だった。
真実味のないうわべだけの言葉を並べるのが苦痛でもあった。
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