メルラバ
「そら読むよ。知ってる人が書いた本なんやもん。読むし、ちゃんと感想も言うし」
「いいいい。読まなくていいし、感想も言わなくていいし!」

「なんでよ。読まへんかったら意味ないやん」
「だって、なんか恥ずかしいじゃん。秋だって親に漫才とか観に来られるの恥ずかしいでしょ」

「俺、唯の親ちゃうもん」
「…あー言えばこー言う」
「芸人ですから」

他愛もない言い合い。

それが楽しくて嬉しくて、知らず頬の筋肉がゆるむ。

そんな私を見て、秋が言った。
< 149 / 518 >

この作品をシェア

pagetop