メルラバ
「唯は酒飲めんの?」

耳元、小声で囁かれて、思わず咄嗟に耳をおさえた。

そのバイオリンみたいに良い声で囁かないで欲しい。

「もしもーし、聞いてんねんけど?」
「っ、秋!耳元でしゃべんないでよ」
「なんで?」
「なんで、って…」

言えるか。
妊娠しそう、なんて。
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