メルラバ
べえ、と、ユージン君が舌をだして「勝手にせえ、あほぅ!」と秋が席を離れる。

それを、じぃっと恨みがましい目で見送ってから、ユージン君が私に向き直った。


近くで見ると、ますます可愛いな。

肌は白いし、瞳は従順な犬のようにつぶらで、唇は大きくふっくらとしている。髪がほぼ金色に近いので、まるでハーフのようにも見える。


「連絡先…」

まだ諦めきれない様子でポツリと呟く様が、笑ってしまうほど可愛くって、私はカバンから携帯を取り出した。

別に彼なら連絡先を教えても悪くない。

そんな私の様子を見て、ユージン君がパッと目を輝かせる。
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