メルラバ
「唯ちゃんも投げて投げて!」


急かすようにジンちゃんに促され、すっかりその場の雰囲気になじんでいた私は、えいっと向こう側へとそれを投げつけた。


別に誰を狙ったわけでもないのに、その白いおしぼりは私の気持ちのようで、秋の元へと飛んで行く。


片手でそれをキャッチした秋が、にやりと笑う。

「俺を狙うなんて、ええ根性しとるやないけ」

そう言って全く手加減なしで、秋が私めがけておしぼりを投げてきた。

実はこう見えて、けっこう負けず嫌いだったりする。
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