メルラバ

彼女の条件

楽しい時間はあっという間に過ぎて、秋に送ってもらう頃には、年甲斐もなくはしゃぎすぎたせいかクタクタだった。


「あー楽しかった!」

外に出ると空にはシャープな月が浮かんでいて、5月終わりの初夏を感じさせるような爽やかな風が吹いていた。


勧められるがままに飲み慣れないビールを口にしてしまったせいで、ほんのり頬と耳が熱い。


「大騒ぎでびっくりしたやろ。芸人が集まると、いっつもああなんねん」

「うん。でも、すごい楽しかった」

「そっか。ほな、また一緒に騒ごうや。いっつも男ばっかやから、唯がおってくれると助かるわ」

「助かる?」
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