メルラバ
「かっこいいね、芸人さんて」

素直にそう思う。

見上げた秋は照れくさそうにソッポを向いて、首の後ろを掻いている。

そんな横顔を見ながら、この時がずっと続けばいいと願う。

「ねぇ、秋」

振り向いた秋が一瞬ギョッとした顔をして、なに?と思った瞬間には、肘を強く掴まれ秋に引き寄せられていた。

「あっぶな。前!でんちゅう。ぶつかって頭割れたらどないすんねん」

「…ごめん」
「ええけど…唯って案外天然な」
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