メルラバ
なんだ。やっぱりそんなもんか、って。

秋を通して私もその恋に触れてみたかったんだと思う。

だから、あんなお節介なメールを送ってしまった。

私なんか、ただの第三者だというのに。


「あー…」

私、なにやってるんだろう。

恋の一つもせずに、なにがカリスマ恋愛作家だ。

かりそめじゃんか。

あーもう。
やめだ、やめだ。
もう秋からのメールなんて待たない。

マウスを操作して開いていた受信トレイを閉じようと、バツ印を押そうとした、その時。

ぽーん。

メールが届いた。

送信者は、秋だった。
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