メルラバ
はらりと、私の手から便箋が舞い落ちる。

それは、風に乗るように低空で旋回し、遠く離れたところへと滑り落ちていった。

開封していない封筒はまだ山のようにある。


見てはいけない。
ううん、見なくていい。


そう思うと同時に、これは自分に課せられた試練なのだと、彼女達の言葉から逃げてはいけないと思う自分がいる。


…楡川さんは……
楡川さんは、なんて言ってたっけ?
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