メルラバ
小さな瓶の中に詰まっている液体を数滴落とし、ポットの下に火のついた蝋燭をセットする。

火で温められたポットからは、ラベンダーの香りがした。

その香りを吸い込むと胸にわだかまっていた何かが、すっと解されていくようで…

改めて、なにからなにまで良く出来た人だと思う。

「唯さんは座ってて下さいね」

そう言って楡川さんはキッチンに消えた。
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