メルラバ
お粥という食べ物は無条件で母親を思い出させる。

病気の時に必ず作ってくれるものだからだ。

今は熱もないし別に風邪をひいてるわけでもない。

それなのに楡川さんは、私にお粥を作ってくれた。

それはきっと彼がとても鋭いからで、一目見て私がろくに食事を摂っていないことに気付いたからだろう。


私の空っぽの胃を気遣ってくれたからだろう。
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