メルラバ
「ありさちゃん?」
「は、い…」

「ありがとう」

「いえ…私のほうこそ、ありがとう。嬉しかった。
私のことを庇ってくれて、秋に怒ってくれて、すごくすごく嬉しかった」


あの時、秋が私のことを理解出来ないと不貞腐れた答えが、今ここにある。

女の子は、みんな弱くって、みんな泣き虫で、みんな素直で可愛い。

男の人には嫉妬という漢字2文字に含まれた、ピュアな心がきっと見えないのだ。

嫉妬してしまうのは好きだから。
好きだから嫉妬もするし攻撃的にもなる。

その向こうで『好き』という、儚く弱く、そして一等大事な想いを守ろうと必死なのだ。
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