メルラバ
干乾びた喉を潤すように、空腹で死にそうなお腹を満たすように、冷たく冷えた心を秋は暖めたかっただけ。


死の淵に立たされてしまったら、人は泥水だって飲むだろう。

そういう精神的にギリギリの状態だったのだ、秋は。


それなのに私ときたら秋のことを突き飛ばして…

最低だ。

もっと他にうまいやり方があっただろうに。

もっと秋にかけてあげる言葉があっただろうに。
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