メルラバ
気持ちが痛い。

メールの文面はとても真摯で彼の彼女への感謝の想いがひしひしと伝わってくる。

それを間違いとはいえ全く無関係の私が読んでしまい、更に彼の気持ちを闇に葬るなんてことは随分と失礼なことだと思う。

とても申し訳ない気分。


あぁ、このくそ忙しい時に…。
締め切り明後日だよ?

こんな他人の恋愛事情に巻き込まれてる暇ないっての!


開きっぱなしにしていた『秋』のメールを閉じる。

返信する、しないの答えを諦めて、私は書きかけの原稿に向き直った。

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