メルラバ
打っても響かない。
叩いても鳴らない。

そんな時、人はその理由を考える。

それはもう、とても身勝手に。

打ち方を変え叩き方を変え、それでも何も響かず鳴らず…秋は、それを自分のせいだと思い込んでいる。

「唯がもう俺に会いたくないって言うなら、もうこんな、」
「違っ、ちがうの。そうじゃなくて…」

会いたくないなんて、そんな、そんなわけがない。

「違うよ…そうじゃないの、そんなんじゃ」
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