メルラバ
書斎のドアを開き、パソコンの前にどかっと座る。
電源をいれウィンドウズが立ち上がる音を聞きながら煙草に火をつけた。

メールが何件か届いていたけれど、その中に秋からのメールはない。

当然か。

受信トレイに残したままの秋からのメール。それをクリックして削除ボタンを押そうとして…押せずにいる自分がいた。

どうした。
早く消してしまえ。

私の中のもう一人の自分がそう急かすけれど、指が動かない。
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