メルラバ
泥跳ねがおちて、真っ白になったワンピースが風にそよいでいる。

柔軟剤の良い匂いがベランダに立ち込めた。

ぱたぱた揺れる洗濯物を見ながら、ベランダの入口に座り、性懲りもなく携帯を開く。

返事、こないなぁ。

こない返事を待つのも苦しいけれど、返事を寄越さない相手に対し、更にメールを送るという行為もけっこう勇気のいることだと気付く。
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