道の脇に他の池と分裂した小さな池があった。



「あれあれ!」



瑞季が指した先にはうねうねした魚が。



「ウツボかな」と答える父親の声を聞いて一歩思わず後ずさる瑞季。

人魚姫の物語を既に知ってる瑞季にとって、ウツボは怖い魚でしかない。

今まで実物を見たことがなかったから分からなかったのだ。

そんな瑞季に「池に落ちたら噛まれちゃうから気をつけてね。」という母親の声。



結局どう転んでも池には落ちないだろう、という所まで下がり首を伸ばしながらしばらく瑞季はウツボを見ていた。

少し遅れて追いついた暁は両親からウツボの説明を聞いて興味津々に覗き込んでいた。



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