ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
風は凪ぐ
夢だ!
こんなこと、あり得ない!!
猫、いや狐?が人間になるなんて普通に考えたらないでしょうよ!いくら1人になって寂しかったからって、妄想もたいがいにしなよ自分!!
「―――――いつまで寝ておる、早に起きて飯の用意をせぬか」
翌朝、現実逃避よろしくぐっすりと眠っていた私の頭を軽く小突く男。目を開けてその姿を見て、夢オチ希望だった私は一気に肩を落とした。
「…わかった、作りますからあっち行ってて」
「何故」
「着替えるのよ!!」