ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-





恥ずかしさといたたまれなさで、私はぎゅっとしたときの音が聞こえるくらい必死に目をつぶった。
…しかし逆効果。
余計に舌の感覚が鋭くなったような気がして、のぼせてしまいそう。



「し、愁。………おかしく、なる…ぅ、」


「よい。我の前でならいくらでも狂ってしまえ」


そう言うと、愁は私の胸にも舌を這わす。
初めて味わうこの刺激が“快感”だといまいちわかっていなかった私は、とっくに尖りきっていた胸の先端を甘噛みされた瞬間、我慢していた吐息をもらしてしまう。


すると愁は片方の腕を私の顔に伸ばし、その指で唇を割るとそのまま指をつっこんできた。



「―――ふ、ぅん…」


その指が私の舌をなぞる一方で愁の頭がだんだん下腹部に動いていく。
気づかぬ間に、私が着ていた着物の帯もとっくに緩められていた。





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