ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
久しぶりに誰かと食べる朝ごはん。
その中で私も名乗り、他愛のない話をしながら箸は進む。
「お風呂入ってもらったら買い出しつきあってね。もう食材が尽きちゃったからさ」
「…我を荷物持ちに使うつもりか」
「いいじゃない!ここにいるつもりなら手伝いなさいよ」
「……………仕方あるまい」
そう言わせ、お風呂の使い方を教えてから入らせた頃には時計の針は11時を回っていた。
出かける準備万端で愁を待っていると、浴室のドアが開いた音がする。
その音に反応して振り返ったとき、目の前には信じられない姿の愁が立っていた。