ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
「なっ………なんつう格好してんのよ!」
そう。
目の前には腰にタオルを巻いた風呂上がりの愁が立っていた。
(…なんつう色気)
白い肌は暖まったのかほんのり色づいていて、なかなか水気を絞り切れていない長い髪が程良く引き締まった身体にはりついていて。
はっきり言って“彼氏いない歴=年齢”の私には刺激が強すぎる。
「この着物の着方がわからん」
そう言って差し出されたのはファスナーのついたパーカー。
「にしたってズボンくらいはいてきてよ!」
「わかったわかった。しかし良く騒ぐ女よの」