ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-





替えの下着は防犯用によく外に干していた黒のボクサーパンツ(もちろん未使用)を渡していたから問題ないと思ってたのに!


そう思いながら着替えてきた愁にパーカーを着せてやると、頭上からクスリと笑う声がして。



「ぬしは誠面白い女ぞ。こんな女に出会うとは、人間界も悪くはないな」


見上げればその青紫の瞳を細めて私を見ている愁と目が合った。


そのときドキン、と心臓が高鳴る。



「(うわ、何これ…)そりゃよかったわね!さ、髪乾かしてさっさと出かけるよ」


どぎまぎしている自分を隠すためにわざと大声を張り上げると濡れていた髪が一瞬で乾き、ニヤリと笑う愁の姿にまた言葉が出なくなってしまった。





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