ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
正体が妖弧であっても、今の姿は人間に変わりがない。
背は高いし顔は整ってるしで見た目は日本人離れした美青年。なによりあの青紫の瞳で見つめられると、身体が石になったみたいに動けなくなってしまう。
(って、何考えてるの私!)
「ねぇ、今日の夕飯は?」
「肉じゃがぞ」
「やった!燈の作るご飯美味しいから楽しみだわ」
さっきまでビビりきっていた私がそうやってはしゃく姿が面白かったらしく、愁は肩を震わせている。
でも、しっかり爆弾を落としていくのを忘れない。
「我はぬしの作る飯のほうが美味いと感じるがな」