ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
―――それから数日。
私はこの屋敷の中なら自由にしていてかまわないと言われたため、今は日当たりのいい縁側で三時のおやつと決め込んでいた。
「菜々美様、またこのようなところで…身体を冷やさないようにしてくださいませよ」
どこから現れたのかわからない燈が私にそう言うと、私に膝掛けを渡してきた。
「ありがとう。ね、燈。今忙しい?」
「いえ。何かご用でしょうか?」
そう言うのを聞いた私は自分の隣、縁側の床をたたいた。