ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
「そこがキミの席。じゃ、今からご飯用意するからね」
私が猫の頭を撫でながらそう言うと、猫はその場で丸くなった。クッションが少し大きすぎたかな、とも思ったけど気に入ってくれたらしくすぐに寝息を立て始める。
その姿に安心した私は、台所に向かう。
猫を飼ったことがないので、とりあえず冷蔵庫にあった鮭フレークをご飯に混ぜたものを猫のエサとして。
私の分は…まぁ適当に。
「おーい、ご飯だよ」
数十分後、まどろむ猫にそう話しかけると素早くこちらに寄ってくる。
鮭フレークご飯もお気に召したようで残さず食べてくれて。
その姿に、私は自然に笑っていた。