ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
「ぬしは、…ぬしは、その、我を………」
いつの間にか愁は顔を上げていて、見つめ合う私たち。
その白い肌をほんのり赤く染めた愁が愛おしくて、私は涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑う。
「私は、愁が好き」
そうつぶやくと、愁はますます頬を赤くして困ったような表情を浮かべた。
「……………我の負けよ」
愁がそう言うと、そっと私に唇を重ねた。
何度も何度も触れるだけのキスの嵐。
触れる度に伝わる愁の熱がもっとほしくて、私は愁にされるがまま受け入れた。