校舎裏には秘密がある
彼女と水やりと挨拶
夏休みまで後5日――。
「優花優花優花!」
俺は昨日のことを早く彼女に伝えたくて、7時前に来た。
しかし彼女はまだ来ていない。
「ったく何だよ、せっかく嬉しい報告があるのによお」
俺は彼女が来るまで水やりをすることにした。
改めて見ると、花って綺麗だな。
綺麗に咲いているのを見ると、今日も1日頑張ろうってなる。
まるで彼女みたいだ。
いや、彼女がまるで花なのか。
俺は1人おかしく、クスッと笑った。
ミーンミンミンミーン……。
「おう、蝉も元気だな」
って何虫に話しかけてんだ俺。
でも暇だしな……。
「蝉さんはよお、1週間の命しかねえんだよな? いつから生きてるか知らねえが、短い命大切にしろよ」
それに答えるかのように、また蝉が鳴いた。