校舎裏には秘密がある
ストレートで綺麗な髪だな。
「変態」
「なっ!」
見ていることを彼女に見つかってしまった。
「変態じゃねえよ」
「人のことじろじろ見てさ、十分変態ですー」
彼女はべーっと、舌を出してきたが、それがまた可愛くてたまらなかった。
「根本君、私行くわね。さよなら」
「あっ、さよなら」
生徒会長のこと、すっかり忘れていた。
「真由香……」
彼女がぽつりと、そう言うのが聞こえた。
表情は見えないが、きっと悲しい目で生徒会長を見てる気がした。
「な、なあ。それよりさ、俺、昨日ちゃんと挨拶出来たぜ」
「本当!? やったじゃん!」
彼女は振り返り、満面の笑みで俺を見上げた。
俺の為にここまで笑顔になってくれる奴、彼女しかいない。