校舎裏には秘密がある

「根本、もっと寄らないと写らないぞ」

「で、でも」

10人ではかなり詰め詰めで、俺は緊張してみんなから距離を置いていた。

しかしそれだと写らないらしい。

俺は原木君に引っ張られ、なんとかプリクラに載ることが出来た。


ゲーセンを出ると、外は少し暗くなっていた。


「よし、そろそろ帰るか」

「え、アイスおごらなくて良いのか?」

「何言ってんだ、おごらす訳ねえだろ。今日は根本の歓迎会だ」

みんな笑顔で俺を見てきた。

参ったな、みんなに感謝しなければならない。

俺は嬉しさのあまりに、涙が溢れ出した。


「ちょ、泣くな! 男だろ!」

数名に背中をさすられ、それがまた幸せで、俺はまた涙を流した。


「有難うみんな。今日は本当に、本当に楽しかった」


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