校舎裏には秘密がある

夏休みまで後4日――。


「おはよー!」

俺は笑顔で校舎裏に来たが、まだ彼女は来ていなかった。

きっと彼女は7時にならなきゃ来ない、そう思った。

俺は今日も彼女の代わりに水やりをした。


「春樹おはよ」

「おう! おはよ、優花!」

後ろを振り返ると彼女が立っていた。


「あれ? 優花、痩せたか?」

昨日より少し細くなった気がする。


「気のせいだよ」

彼女は笑顔で否定したが、俺はどうしても何か違う気がした。


「それより、水やり有難うね」

「良いよこれくらい。楽しいし」

俺は水やりを終え、枯れている花がないか確認した。


「春樹がそうしてくれると助かる」

「そうか? じゃあ俺、夏休みの間も毎日来てやってやるよ」

「本当!?」

「え、あ、うん」

彼女の突然の元気な声に少しびっくりした。


< 32 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop