校舎裏には秘密がある
夏休みまで後4日――。
「おはよー!」
俺は笑顔で校舎裏に来たが、まだ彼女は来ていなかった。
きっと彼女は7時にならなきゃ来ない、そう思った。
俺は今日も彼女の代わりに水やりをした。
「春樹おはよ」
「おう! おはよ、優花!」
後ろを振り返ると彼女が立っていた。
「あれ? 優花、痩せたか?」
昨日より少し細くなった気がする。
「気のせいだよ」
彼女は笑顔で否定したが、俺はどうしても何か違う気がした。
「それより、水やり有難うね」
「良いよこれくらい。楽しいし」
俺は水やりを終え、枯れている花がないか確認した。
「春樹がそうしてくれると助かる」
「そうか? じゃあ俺、夏休みの間も毎日来てやってやるよ」
「本当!?」
「え、あ、うん」
彼女の突然の元気な声に少しびっくりした。