校舎裏には秘密がある
「後ろだよ」
そう言われ後ろを振り向くと、彼女はさっきいた2人組の女子が置いていった花を集めていた。
「何してんの?」
「集めてるの」
「いや、うん、それは見て分かるよ。集めてどうするのかを俺は聞いてんだよ」
「貰う。校舎裏は春樹の場所になっちゃったから、彼女達は怖くてもう校舎裏には来ない。そしたらこの花は、皆から忘れられちゃうでしょ? だから私が代わりに貰うの」
「ふーん」
静かに花を拾う彼女の顔は笑顔だったが、何処か寂しげな目をしていた。
「花、好きなんだな。名前にも花がついてるし」
「ははっ」
俺の一言で満面に笑う彼女に、俺は安心した。
彼女には綺麗な笑顔が一番似合う。