恋のつぼみ




あれから、近くの公園のベンチで落ち着くまで
江藤さんが買ってくれたミルクティーを飲んだ


「すみません、迷惑かけて。」

「なんで、迷惑だなんて言うんだよ。
好きな子と長くいられて、俺はうれしいよ。」


好きな子・・・・それが私だなんて今でも信じられない


「あの〜、パン屋に来ていた人は彼女じゃないんですか?」

「彼女?」

少し考えていた江藤さんは、思い出すと私の顔をじっと見て

「もしかして、美由紀のことかな?
あいつは友達だよ。それ以上でもそれ以下でもない。それに、あいつ彼氏いるし。」

「えっ?」

「ゆうちゃんこそ、橘に見惚れてただろ?


「た、たちばな?」

「今日、パン取れなくてゆうちゃんに声かけた俺の友達。」

「ああー、見惚れてなんかいませんっ。
私は江藤さんが好きなんですよ。」


あっ、やばい

また好きって言ってしまった


江藤さんは笑顔で私を抱きしめて言った


「じゃあ、今日から彼女だね。ゆう。」










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